企業内共済会の運営方式

企業内共済会は、会計・税務上の観点から主に次の3つの運営方式があります。

(1) 従業員団体方式

(2) 人格のない社団方式

(3) その他方式

企業内共済会(以下「共済会」といいます。)が行う福利厚生事業にかかる経費の相当部分(概ね50%以上)を当該企業が負担している場合、国税庁の法人税等基本通達に規定されている条文の用語を用いて、「従業員団体方式」と称しています。

共済会が行う福利厚生事業における会計・税務については、法人税等基本通達に規定されている区分経理を行う場合を除き、当該企業とは一体(福利厚生事業から生じた損益は、当該企業と同じアカウントで処理します。)で行います。 

「従業員団体方式」は、会員数(当該企業の役職員等)が少ない中堅中小企業においても、比較的制度導入が容易な運営方式です。

 

 

共済会が行う福利厚生事業の経費を構成員である役職員が負担している場合、法人税法に規定されている条文の用語を用いて、「人格のない社団方式」と称しています。

役職員が共済会に払込む共済会費に対して、当該企業が、一定金額または一定割合を上積み支給している場合においても、共済会費が役職員名義で共済会に払い込まれるときは、企業からの拠出が表面的にゼロとなり、税法上は、「従業員団体方式」ではなくなります。

当該企業から独立し、別の人格(人格のない社団)をもって、団体の構成員が福利厚生事業の自主的運営を行う共済会の会計・税務については、当該企業とは分離・独立したアカウントを持ちます。

「人格のない社団方式」は、会員数のスケールメリットを生かした福利厚生ファンド(基金)が構築可能な大企業を中心に運営されています。

  

企業内共済会は、上記以外に以下の運営方式もあります。

● 労働組合方式

● 株式会社方式 (株式会社パナソニック共済会等)

● 社団・財団方式(旧民法34条により設立された既存の公益法人であり、現在は、特例民法法人)

新公益法人制度下(平成20年12月1日以降)においては、企業内共済会の法人格取得として、一般社団法人・一般財団法人(非営利型法人・共益活動型)の設立も検討の余地があるのではないかと考えます。